Black Wave - Saudi Arabia , Iran And The Rivalry That Unravelled the Middle East
Kim Ghattas
BLACK WAVE - Saudi Arabia, Iran And The Rivalry That Unravelled The Middle East
2020年の出版物ですが、未読であり、価格がリーズナブルだったので購入しました。
サウジアラビアとイランのライバル関係を軸にイラン革命以後の中東の国際関係のパズルを案内しています。
1979年の変化として、イラン革命、ソビエトのアフガニスタン侵攻、メッカのモスクの包囲という出来事がありました。本書はその後の40年間の物語を記しています。
サウジとイランの地政学的なライバル関係だけでなく、その地域の国々にイラン革命の影響がどのように波及していったかをジャーナリストの視点で客観的に記録されています。
2026年早々、ベネズエラの大統領が拘束されました。ノリエガの件を彷彿とさせますが、今回の出来事は、ベネズエラがAutocracy.Inc1を構成する国 一つということで象徴的な意味を持っていました。ベネズエラは石油という天然資源に恵まれてる国です。
産油国として中東の大国であるイランもまたAutocracy.Incを構成しています。
イランは現在、過度のインフレーションに見舞われ、通貨は暴落し核開発に関連した制裁により経済は疲弊しています。
歴史を省みると、天然資源に恵まれていても、通貨が堕落した国家では、ハイパーインフレーション、スタグフレーションで政権が倒れる場合があります。
二つの大戦の間のドイツの通貨の問題とスタグフレーションはよく例に挙げられます。近年のベネズエラもまたハイパーインフレーションで経済は破綻していました。
ソビエトは誕生から、50年程度で節目を迎えました。 現在の形の統治システムのイランはパーレビ体制の崩壊から、47年経過しています。
Autocracy,Incを構成していたシリアのアサド氏の政権も、現在は存在していません。
今日、民衆の経済状況への不満からイランで起きていることは、1979年にイランから発生したブラック・ウエイブと同様の大きな歴史の流れとしての、関係国間の相互作用の現れです。40~50年という期間は一つの政治システムが制度疲労するのに十分な時間と言えます。半世紀のスパンで統治システムが変化するのは珍しくありません。
本書には、1979年のイラン革命以後の周辺関係国の物語が記されています。イラン革命後にその波がどのように周辺国に波及していったかを知ることは、現在の中東情勢と、Autocracy,Incを構成する国々、そして私たちが暮らしている社会の地政学的な変化を認識し、将来を展望する上で多くのことを教示してくれるでしょう。
- 本サイトの以下のリンクにAutocracy,Inc.の 書評を載せています。
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