投資ポートフォリオのストレス・テストーpgmpyベイジアン・ネットワークによるリスク評価

2025/8/6

地政学的リスク 原油価格とインフレーション  天然資源、特に原油価格を主要因に置いたインフレーションとポートフォリオを構成する各資産のストレス・テストのシナリオの一例を図示しています。ストレス・テストとして該当シナリオ1によるポートフォリオの損益を推定します。 図1 原油価格と地政学的リスクのシナリオ  中東の紛争による地政学的リスクの上昇、原油価格の変動は、必ずしも資産価格の下落に繋がりません。これは、資産価格に影響するまでに複数の経路があることが影響しています。  リスク・シナリオをDAG(Direc ...

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書評:Autocracy,Inc.

2025/6/16

Autocracy,Inc. The Dictators Who Want to Run the World. Anne Applebaum Autocracy,Inc. The Dictators Who Want to Run the World.  Autocracy,Inc.とは著者の造語です。本書のテーマをわかりやすく表現しています。  Incは通常、Incorporated として会社組織の法人名に使います。xxx Inc.と略し会社名の終わりにつけます。統合した独裁国家、あるいは一体化した専 ...

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書評:Our dollar, Your problem

2025/6/19

Our dollar, Your Problem: An Insider's view of seven turbulent decades of global finance, and the road ahead Kenneth Rogoff Our dollar, Your Problem: An Insider's view of seven turbulent decades of global finance, and the road ahead  最近、経済制裁をテーマにした著書にいくつか ...

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書評:Chokepoints: American power in the age of economic warfare

2025/6/3

Chokepoints: American power in the age of economic warfare Fishman, Edward 経済制裁は軍事的な脅威に対して兵器を用いず、経済的な影響力を行使することで、該当国を制止することを意図しています。本書に取り上げている5つの出来事を通して、為政者の意思決定の相互作用で作られる現代史と、経済面でのUSドルの影響力を把握することになるでしょう。 Chokepoints: American power in the age of economic ...

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書評:Shocks, Crises, and False Alarms: How to Assess True Macroeconomic Risk

2025/4/20

Shocks, Crises, and False Alarms: How to Assess True Macroeconomic Risk Philipp Carlsson-Szlezak, Paul Swartz Shocks, Crises, and False Alarms: How to Assess True Macroeconomic Risk  本書はマクロ経済における近年見られたような、ショック、危機などのリスクを案内します。  マクロ経済のリスクを判断するとき、リスクが実際のショック ...

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合衆国の新関税の税率と貿易収支

2025/8/28

2025年4月2日に合衆国の新しい関税の税率が公表されました。現在の貿易収支の状況と導入される関税の税率をまとめます。 合衆国の貿易収支 図1 合衆国の貿易収支2023年(単位:USD million)  図1は、左側が輸出国、右側が輸入国です。マウスポインタを領域の上に置くと、輸出入額(単位:100万USドル)を表示します。 データソースはJETROがまとめている貿易投資年報より参照。 新関税の税率と各国の対米貿易収支 図2 関税率と対米貿易収支 対米貿易収支は、輸出額から輸入額を減算した値(単位:10 ...

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強化学習による因果探索 gCastle因果探索アルゴリズムの検証(3)

2025/3/18

gCastleに実装された探索アルゴリズムの中で、強化学習を使ったアルゴリズムが高い性能を示しています。本稿ではこの探索のための強化学習アルゴリズムを解説します。 強化学習を使った探索  強化学習は一般的にポリシーを学習することを目的に用いられますが、彼らはこれをDAGの探索に使っています。  巡回セールスマンの問題と同様に、d次元のnシーケンスでベストスコアを導くことで、入力データからバイナリの隣接行列の生成を考えます。  隣接行列を出力するためにエンコーダ/デコーダ・モデルを作りますが、エンコーダ自己 ...

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CastleBoardの使い方 gCastle因果探索アルゴリズムの検証(2)

2025/3/2

中国のAI技術動向の調査を兼ねて、gCastleに実装された因果探索アルゴリズムを検証しました。gCastleはGUIツールCastleBoardを含んでいますが、パッケージにツールのマニュアル類は添付されていません。そのため、本稿では実際にアルゴリズムを検証するためのCastleBoardの使い方について解説します。 CastleBoardの操作  GUIツールはいくつかの設定項目への入力でテストデータを生成できるため、テストプログラムを組むより簡単にアルゴリズムを検証できます。ツールの機能は主に二つの ...

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マイニング・セクターのリスク許容度、関税の影響 (DoubleMLの推論)

2025/3/14

 2025年2月に合衆国の新政権の政策として、鉄鋼とアルミニウムに25%の関税が課されることが決定されました。一方で、ウクライナへのこれまでの支援の対価として、ウクライナの鉱物資源などの天然資源の権益取得が交渉されています。  この関税政策が、原料である鉄鉱石やボーキサイトなどの鉱物資源の採掘を行なっている企業に与える影響について分析します。  分析手段として機械学習を使った推論手法、DoubleML(Double Machine Learning)を用います。このDoubleMLという推論手法と同じ名称 ...

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gCastle 因果探索アルゴリズムの検証

2025/2/28

gCastleは、因果探索アルゴリズムが実装された因果の構造を学習するツールチェインです。パッケージは、Webアプリを含んでおり、因果探索アルゴリズムがGUIベースの操作で検証できるようになっています。 gCastle 概要  Huawei社のリサーチラボから提供されています。因果探索アルゴリズムが実装されており、Webアプリを使用してアルゴリズムの動作が検証できます。  GCastleの名称は、Gradient-based Causal Structure Learning pipeline. の頭文字 ...

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slide 経済・産業

戦略物資、輸出規制、エンバーゴ

特殊用途半導体

 最近、大量に使用されている巡航ミサイルの、撃ち落とされたと見られる残骸の映像が報道されていました。

 電子基盤のズーム映像でしたが、某国製のDSPが実装されていました。

 見慣れたロゴなのですぐに、某社のものだと識別できました。

 既に部品が調達できないことは明白でした。

 在庫が切れれば、その兵器がディスコンになることは推察できます。

 同種のチップを設計、製造できる人材と設備があるのはUKとユーロ圏のいくつかの国、そしてイスラエルしかありません。

 マイクロプロセッサとそれに準じる半導体を供給できる国が、レアメタルの調達同様に限定されているのは興味深いことです。

 最近流行りのAI分野には多くの人材が供給されているが、マイクロプロセッサとなるとソフトウエアのようにビルドアンドスクラップで次々に試せるものでもなく、容易く設計できるものでもありません。

 エンジニアリングサンプルを小ロットで作ることはありますが、大量生産が前提です。こうした製品は小ロットではコストが釣り合わないのです。

 開発ツールも含めて作るとなると、高い専門知識と大量のマンパワーが必要になります。

 しかし、そうした人材は、特定の業種の知識集約型の部門が集積している地域に集約しています。

 オースチンとサンノゼ、ケンブリッジとテルアビブ辺りです。

Risc-Vの行方

 Linuxはフリーなソフトウエアですが、既に堅牢なシステムとしてスーパーコンピュータからスマートフォンまで幅広く使用されています。

 このOSはボランティアの手で設計、開発され、私の知る限りディストリビューションに制限らしい制限はありません。

 使用の際は、追加のソースを含めてソースコードを全てオープンにしなさい、という制限くらいです。

 これはLinuxやフリーソフトウエアの思想と言えます。

 おそらくPC用のLinuxは、いづれの国であっても外交関係にもかかわらず使用されています。

 実は、同様の思想で設計されているマイクロプロセッサがあります。

 Linux同様にフリーのRisc-Vプロジェクトです。

 Risc-VはLinux同様にボランティアの共同作業によって開発され、供給されるようになります。

 LinuxやRiscーVもプロジェクトの意図は、GNUプロジェクトのストールマン氏と共通していることでしょう。

 しかし、技術や科学には負の側面もついてまわります。

 好ましからぬ用途で使用される可能性は否定できません。

 おそらく設計者の意図に反する用途で使われることはあることでしょう。

 これは現実の問題として潜在的なリスク要因です。

 マイクロプロセッサもVHDLのようなハードウエア記述言語で、ソフトウエアのようにコードとして設計されます。

 Risc-Vのディストリビューションを輸出規制で縛れるでしょうか。

 製造装置があれば、Risc-Vはシリコンの上に乗ってパッケージ化され、量産することができます。

 

 2023年4月、半導体製造装置は特定の国への輸出規制の対象になると報道されています。

 

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